2009年11月23日月曜日

豊田市環境学習施設 eco-t(エコット) 見学編

過日、地元の商店街の会、とよた下町おかみさん会で、育成委員会担当の勉強会として、豊田市の施設、豊田市環境学習施設 eco-t(エコット)へ学習と見学に出かけたことを記しました。学習の中から、今日は、毎日お世話になっている、ごみ処分場を見学し、ごみのゆくえ、ごみを燃やすことで余ったエネルギーのゆくえをまとめてみました。ここ渡刈(とがり)クリーンセンターは、もえるごみの処分場として、随分前から使われていましたが、最新鋭の施設は、平成19年3月に完成、今に至っています。
中央制御室です。施設内の機器・設備全体の監視制御や運転操作を、24時間休まず行っているのだそうです。担当しているは、市の職員ではなく、設備を請け負った会社の社員さんが出向の形で勤務されているのだそうです。消防署の指令室かと思ってしまいました。 この施設のランニングコストは年で約40億円です。豊田市の人口は約40万人ですから、ひとりに換算すると年間約1万円負担している計算になります。

これは、一日に一人が出すごみの量だそうです。こんなに出すのですね A^^; さて、このごみはどのようにして、運ばれ、何になるのでしょうか?

ここは、プラットホームです。搬入さえたごみを、ごみピットへ投入します。投入口は8か所で、そのうちの一か所は、一般搬入者用で、家庭から出るもえるごみの搬入箇所です。入口にごみ計量機があり、そこで搬入されるごみが計算され、コンピュータで集計します。ごみを搬入し、帰りに再度計量し、ごみの重さを量り、その重さで料金がかかる仕組みです。この日、お布団が搬入されてようでした。「うちにも、使わないお布団がある」とか、「わぁ、もう捨てるのね、もったいない」なんていう言葉が聞こえてきました。

ごみ収集車も帰ってきました。一日に約250台のごみ収集車が搬入されるそうです。お疲れ様です。

これは、ごみピットです。搬入されたごみは、このごみピットに集められます。このごみピットでは約5日分のごみを貯めることができるのだそうです。貯められたごみは、ごみクレーンでよく攪拌されます。このクレーンは頭脳的な動きをするそうで、下のごみを上へ上へ積み上げるように、毎日動いているのだそうです。ごみクレーンが一度に掴む量は、約5トンだそうです。

ごみピットで攪拌されたごみは、ごみクレーンがごみホッパに投入します。

ごみは、流動床式熱分解炉で、約500℃から600℃でガス、および チャー(灰のようなもの)、タール(油のようなもの)に分解され、ガス化され、熔融炉へ送られます。次の燃焼熔融炉では、約1,200℃から1,300℃以上の高温で熔融されます。そしてできたものが、建築材料で使われるスラブになります。

これが、ごみ処理でできたスラブです。「これが、ごみからできたんだね~」と驚いていました。建築の材料として再利用されます。ブロック、コンクリート、アスファルトなど、混ぜる割合が決まっているそうですが、再利用のスラブの使用が国より認可されたそうで、再利用品として販売されるそうです。

これは、以前使用していた処分場です。現在は建物だけ残っており、現在の処分場が使えなくなったら、これを壊し、立て直すのだそうです。現在の処分場は、最新鋭の設備、システムで稼動されています。他の市でもこのような立派な施設はないそうです。以前は、農村地帯でしたが、最近は住宅も増え、臭いの問題もあるということで配慮されています。ダイオキシンなどの大気汚染もありません。とってもクリーンなイメージです。周辺環境に配慮された施設となっています。

さすがにエコを追求しているだけのことはあります。屋根には、太陽光発電があります。

ヒートアイランド現象を防ぐ屋上緑化も施してあります。草の名前は、メキシコマンネンソウという名前です。メキシコらしく多肉性の植物で、繁殖力があるそうです。

インタープリターが着用しているジャケットです。これは、ペットボトル再利用してできているそうです。

この施設でできた電力は、この施設や周辺の老人福祉施設に供給しており、なおかつ、余った電力は、地元の電力会社に月に約1千万円ほど売っているそうです。発電量は最大で6,500kWで、約2,000世帯分の電気量に相当するそうです。

この処分場自体も環境、特に周辺環境へ配慮された施設でした。臭いもなく、ごみを再生し建築資材に利用され、余熱は施設内で利用、電力会社へ販売、有害物質も集塵機で除去、ごみ汚水は排水処分場で処理され、施設内で利用、と余すところなく利用されています。どこの町にもないごみ処分場は、私たちの誇りですが、まずは、ごみを出さないようにすることから始めなければいけませんね。

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