2011年10月8日土曜日

ラムサール条約登録候補地 豊田市矢並湿地

豊田市は車の町として知られていますが、自然にも恵まれています。
中心市街地東部、鞍ヶ池公園近くに矢並(やなみ)湿地があります。

4日(火)の朝刊で一般公開されることを知り、友人と散策に行きました。
貴重な植物が自生しているとのことで、通常は立ち入りを禁止し、豊田市自然愛護協会や地元の矢並湿地保存会の協力のもと保護しています。

環境保全のため、毎年この時期のみ一般公開しています。
ラムサール条約登録を目指し、昨年市内の2か所の湿地とあわせ、環境省に潜在候補地に選ばれ、来年6月にルーマニアである会議で登録される可能性あると報じられています。
今日は秋晴れのいいお天気に恵まれ、気持ちの良い散策となりました。

隣接する水田が長らく休耕地となっており、ハッチョウトンボなどの湿地に特有な動植物が生息・生育することから、一体的に管理を進めているそうです。

スズカアザミ
東海地方に普通に見られるアザミで、秋に三河地方で見られる花です。
(三河というのは、名古屋のある尾張と愛知県を二分する地方の分け方です)


キセルアザミ
下向きに花が咲き、虫の受粉を花は上向きになり、終焉を迎えるそうです。

アザミが湿地を好んでいたとはしりませんでした。
このアザミの命名はドイツの医学者シーボルトがされたそうです。
コガマ
西日本では比較的少ないそうです。
近年、湿地の開発や休耕田の遷移の進行で、生育に適した環境が失われ、現状では、生育地がますます減少する可能性があるそうです。

サワキキョウ
一般的によく知られているキキョウとは、花つきが異なるらしいです。

ノリウヅキ

ヘビノボラズ
名前のとおり、蛇が登らないという意味です。
枝にはとげがあり、葉の縁にはぎざぎざがあります。

白い花は、シラタマホシクサ
伊勢湾沿岸の湿地にだけ生える1年草です。
名前の通り、白玉のように丸く、夜空の星のように咲いています。
紫かがったピンク色の花は、ミカワシオガマ
愛知県東部の湿地と中国山地の一カ所に固有して自生しているそうです。
とても貴重な植物で、絶滅の可能性が高いとして国のレッドデータブックで「絶滅危惧1Bに指定されているそうです。

ヒメアカネ
ちょっとこぶりの赤とんぼ。
昆虫を研究されているボランティアの方から教わりました。
顔がお公家さんの眉のようになっていれば、眉立てアカネ
顔が白くなっているものは、舞子アカネ だそうです。

近年、イノシシ(正確にはイノブタだそうです)が荒らすため、撃退用電圧線が張ってあります。
電源をソーラーで蓄電しているとは、ハイテクです。
自然を護るためには、技術をの融合はかかせないですね。

4000㎡と広くはないのですが、学術的にみて、貴重な植物の宝庫のようです。

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